漢方療法

漢方薬とは?

漢方薬とは、一言でいえば「複数の生薬を混合して作られた薬」のこと。では、生薬とは何かというと、薬効成分を持つ植物(草、根、木、皮)や動物(皮、骨)、鉱物など、天然のものをそのまま使う薬のことです。「複数の生薬を混合している」という点が漢方薬の大きなポイントで、これにより一つの漢方薬でさまざまな症状を改善することが可能となります。
漢方薬は、数千年という長い年月の中で蓄積されてきた治療経験により、その効果や安全性が確かめられており、近年では科学的根拠に基づいた有効性の確認も行われています。
健康維持や不調改善を目的に摂取するものとして、ほかにサプリメントや民間薬がありますが、漢方薬との違いは下記の通りです。

  

漢方薬 蓄積された治験、長い歴史の中で確立された漢方医学に基づく医薬品。主に医療現場で使われます。
サプリメント 一般的に栄養補助食品を指します。ビタミンやミネラルなど、主に日常不足しやすい栄養成分を補うために使われます。
民間薬 民間伝承として、古くから受け継がれてきた植物起源の薬のこと。必ずしも医学的に効果が認められているわけではありません。

漢方薬の特徴

複数の生薬を組み合わせて作られています
通常、漢方薬は複数の生薬を組み合わせて作られています。そのため薬理作用も多彩で、一剤で複数の症状に効果を発揮します。
人の「治癒力」を高めるのが基本です
「人がもともと持っている自然治癒力を高める」。これが、漢方薬の基本的な考え方です。抵抗力の向上をサポートし、丈夫な体をつくります。
個人個人の症状に合わせたカスタムメードです
漢方薬は一人ひとりの体質や症状に合わせて処方することができる、いわばカスタムメードの医薬品。同じ症状でも、人によって違う薬が処方されることがあります。
遅効性のものと即効性のもの、両方があります
天然の生薬を組み合わせる漢方薬は、長期間服用することで効果が出るというイメージが強く、実際にそのような薬も少なくありません。しかし一方で、風邪のときによく用いられる「葛根湯」などのように即効性のある漢方薬も存在します。

 

漢方の診察方法

漢方医学においては、「四診」と呼ばれる独自の方法で患者さんを診察します。 
四診とは、「望診」「聞診」「問診」「切診」のことをいいます。

 

望 診 患者さんの顔色や皮膚の様子、姿勢や体格などを診ることをいいます。また、舌の様子を観察する「舌診」も重要な望診のひとつです。
聞 診 「聞く」「嗅ぐ」ことによる診察です。呼吸音や発声、痰の出方、さらには体臭や口臭なども診察の対象に含まれます。
問 診 患者さんに、病状やその経過などを問いかけることをいいます。ときには日常生活や食生活などについても尋ね、患者さんの状態を把握します。
切 診 「切」は触れることを意味します。脈の深さ、速さ、強さなどを診る「脈診」、腹部のかたさなどを診る「腹診」が基本的な切診です。