BLOG「新型コロナウイルスと医療におけるニューノーマル」

秋から冬にかけて毎年インフルエンザが流行します。例年であれば発熱患者にはインフルエンザの検査をして陽性であれば抗インフルエンザ薬を、陰性であれば感冒薬を処方します。しかし今年は状況が違います。発熱患者の中に新型コロナウイルス感染が混在する可能性を考えなくてはいけません。しかも検査をしないことにはこのふたつを区別できないということが問題です。だからといってすべての発熱患者に完全防護で立ち向かうというのは現実的ではありません。

そこでインフルエンザシーズン前に皆さんにご提案したいことがふたつ。ひとつ目は、インフルエンザワクチンを接種して可能な限り予防しましょう。今までしていなかった方も接種していただきたいと思っています。ふたつ目は、新型コロナウイルス抗体検査をお勧めします。5分程度で過去の既往感染をチェックすることができます。結果が陽性であっても陰性であっても「インフルエンザ+新型コロナ混在時代」に向けてどう対応するか心構えの一助になるものと考えます。

予防や治療の方法がない病気に立ち向かうには知恵と勇気が必要です。こうしたことを考えることも医療におけるニューノーマルになっていくのでしょう。